イノベーションによってビジネスを推進するとき、多様性に富んだチームならさまざまな角度から問題を捉えられるため、これまでの常識を超えた画期的なアイデアが生まれやすくなる。ブルームバーグが、ダイバーシティとインクルージョン(多様性と一体性)を日々の業務同様に重視しているのは、このためだ。

違いを大切にするブルームバーグの企業文化は、このインクルージョンの発展と協働を推進。一人ひとりの従業員が会社の業務を動かしているのだと認識することで、会社全体に成功がもたらされると考えている。

Why inclusion matters now more than ever インクルージョンの必要性

マッキンゼーが米国で実施した調査では、多くの人が職場のダイバーシティを積極的に支持していることが判明
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その一方で、職場のインクルージョンに対しては消極的な見方が優勢

マッキンゼーのレポートで明らかになったのは、 幹部層が多様な人材で構成されている企業は、財務パフォーマンスも他企業より高い ジェンダー、民族、文化の多様性を包摂している企業は、そうでない企業よりも優れた財務パフォーマンスを見せる可能性が高まる ――という点。
ここで注意しなければならないのは、ダイバーシティ推進だけでなく、インクルージョンも大切だという視点。職場でダイバーシティが推進されていると答えた従業員が52%だったのに対し、インクルージョンが推進されていると答えた従業員は29%に留まった。

多様な人材を採用するだけでは、インクルージョンが実現できるわけではない。ダイバーシティのメリットを最大限に活かすには、平等かつ公平でオープンな職場環境を整える必要があり、多様な人材を確保した後に、インクルージョンを意識した経営を実践することが極めて重要になるだろう。

ブルームバーグは、多様な人材を採用し、インクルーシブな企業文化を築くことをビジネスの中心に据えて、推進している。

Committed to developing inclusive leaders 平等・公平・オープンな職場環境のための企業文化と
リーダー育成プログラム

多様性に富んだチームは優れた決断を下せるが、そのようなチームが自然に生まれる訳ではなく、平等かつ公平でオープンな職場環境を整える必要がある。ブルームバーグでは、積極的に能力や個性のある人材を採用・育成することで、職場の多様性を向上させ、誰もが潜在力を最大限発揮できるようにしている。

創設者、組織、企業文化から見るブルームバーグ

ブルームバーグは、意思決定が速く、透明性の高い組織文化が根付き、難問解決や業務への意欲をもたらしてくれる職場環境を実現している。この協働と透明性を重んじる企業文化は、創業者マイケル・ブルームバーグの人柄から生まれたものだ。

オフィスは自由な発想が生まれやすいオープンな環境。変化の速い市場相手に事業を展開するブルームバーグにとって、常に成長と進化が不可欠であり、会社成長のため努力を惜しまず仲間と協力できる人材や、ユニークな経歴を持つ人材、困難を乗り越えた経験を持つ人材を積極的に採用しているのも特徴だ。

そして、入社間もない社員であっても、主体的に業務を進められるよう権限を与え、仕事を完遂させる責任も持たせることで、会社と自身の成長や進化を促している。

社員の可能性を引き出す、
地域にフォーカスしたリーダー育成プログラム

ブルームバーグは、ローカルリーダーシップ・アクセラレーター(LLA)プログラムを通じて、アジア太平洋地域のリーダーと人材を育成している。

12カ月間の育成プログラムの参加者は、毎年15~20名。スキル開発ワークショップやビジネスシミュレーションの受講のほか、重要プロジェクトにも参加するなど、ブルームバーグの企業文化を体現した独創的なプログラム設計となっている。

このプログラムにより、それぞれの仕事が会社全体の成功につながっている仕組みを理解し、事業全体が目指す方向性を知ることで、企業家意識を醸成する。参加者一人ひとりにビジネスメンターや社内コーチが付き、プログラム修了後もサポートを継続。多様な経歴や考え方、管理手法に触れ、参加者自身が自分の特性に合ったリーダーシップが確立できるようになる。

Creating a global workplace that accurately reflects the world we live in 世界を正確に反映したグローバルな職場環境を築くために
平等性を推進

ブルームバーグはデータ主導の企業であり、現実を重視する企業として、問題の詳細や解決策を理解するため数値目標も設定している。採用制度から従業員の認識や会社の方針にいたるまで、平等性を推進しながら維持するためのシステムを構築することで、「私たちが生きる世界を正確に反映したグローバルな職場環境を築き上げる」という目標を達成できると確信している。

ジェンダー平等

ブルームバーグが目指すのは、女性の知識、経験、洞察、アイデアを大切にすることで平等な職場環境を作り、それを会社の強みにビジネスを成功させることだ。
2016年、東京オフィスでは4年以内に女性社員の比率を30%まで引き上げるという目標を設定し、2020年12月には当初の目標を7.8%上回る37.8%を達成。今後、女性管理職の割合40%、男女社員の平均在職期間の差異を1年に短縮という目標に向け、ジェンダー平等の実現に向けたリーダーシップ育成プログラムの企画・運営をサポートしている。

人種の多様性

ブルームバーグは、インクルーシブな雇用慣行を促進するシステム、プロセスに、積極的に投資してきた。ダイバーシティに特化した採用チームを編成。入社後にキャリア開発を加速させるためのプログラムも用意されている。
また、職場における偏見を最小化するためのツールやトレーニング、人種や宗教への偏見・メンタルヘルスなどのトピックを話し合えるフォーラムも提供している。3年連続で、英国の最もインクルーシブな雇用者トップ50にランクイン(2019~20年度は第2位)するなど社会的評価も高い。

障がい者インクルージョン

ブルームバーグでは、オフィス、会社方針、プロセス、プロダクトといったすべてがバリアフリー化の対象となっており、すべての従業員に、「ありのままの自分で働ける環境」をサポートする体制がある。
他者が気づきやすい障がいと気づきにくい障がいの両方について学び、障がいのあるすべての社員を受け入れることを目的に、インクルージョンに関するグローバルな対話型イベント、メンタルヘルスをテーマとするラウンドテーブルやワークショップを開催して、障がいについて体験的に学ぶ機会を用意している。また、サポート体制の整ったオープンな職場環境を実現するために、メンタルヘルス・ファーストエイド(こころの応急処置)の提供者になれる研修も実施している。

LGBTQ+インクルージョン

ブルームバーグは、LGBTQ+の人々が働きやすい平等な職場として高評価を受ける企業だ。それは、LGBTQ+の人々のアイデンティティを受容し、そのコミュニティが直面する問題解決に積極的に取り組んでいるからに他ならない。多様な人々との対話は理解につながり、理解は職場と社会の変化や進歩を後押しする。
LGBTQ+の社員の体験を学ぶことにより、すべての従業員の個が尊重され、大切にされていると感じながら働ける環境と、多様性が歓迎される企業文化が形成されていくのだ。

We’ve built a culture of inclusion ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組み

ブルームバーグは、全部署でダイバーシティ&インクルージョンの年間計画を作成している。それは、単なる確認作業ではなく、職場での平等とビジネスの成功を両輪で推進していくため、真にクリエイティブなアイデアを見出す挑戦なのだ。

2021年ブルームバーグ男女平等指数

上場企業のジェンダー平等に向けた取り組みや方針の透明性を高め、投資家向けのESG(環境・社会・企業統治)関連データの拡充を目的とした「ブルームバーグ男女平等指数(GEI)」に、2021年は44カ国・地域の380社が構成企業として選ばれた。日本からは、花王、野村ホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループなど14社。ブルームバーグでは、GEI指数の枠組みを活用することで、ジェンダー平等を強く推進していくことにつながると考えている。

社員が作るコミュニティ文化

ダイバーシティとインクルージョンの原則は、ブルームバーグのあらゆる階層で実践されている。ブルームバーグは、世界中の職場環境でインクルージョンのメッセージを広める9つのコミュニティを支援しており、東京オフィスでは4つのコミュニティが活動している。各コミュニティは当事者の従業員が管理し、メンバーがロールモデルとなって活動を担う。現在では、8,000名以上の従業員がブルームバーグコミュニティに所属している。

東京オフィスで活動中の
4つのコミュニティ
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Abilities Community

障がいを持つ社員とそのチャレンジを支援する有志で構成するコミュニティで、障がいの有無にかかわらず、各自が能力を最大限に発揮できる職場環境を整えることを目指す。コミュニティ参加者だけでなく会社全体としてもこの課題に対する意識を高め、社員同士で支え合っていけるような取り組みを展開している。

具体的な活動例

障がいを持つ人々の積極的な採用活動/ダイバーシティ&インクルージョンへの理解を深めるためのリーダーおよび社員教育に関するプログラムを企画運営/エンジニアリングチームやデザインチームと協力し、インフラの改良や革新的なプロダクトの開発

LGBT and Ally Community

レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、 トランスジェンダーなどさまざまな個性や背景を持つ社員とアライ(理解者・支援者)で構成されるコミュニティで、すべての社員が受け入れられ、個性を大切にされる職場づくりを目指している。社員一人ひとりが自分らしく仕事をするためには、快適で安心・安全を感じることができる職場環境がたいへん重要なことだからだ。

具体的な活動例

LGBTQの社員によるカミングアウトの体験談やアライに望むことなどについて語り合うパネルディスカッション/管理職のためのアライトレーニング/トランスジェンダーへの理解を深めるためのドキュメンタリー上映会

Women’s Community

女性社員が自分らしいキャリア像を描き、活躍できる環境を整えることを目的とし、女性社員のエンパワメントを推進するコミュニティで、女性の雇用および登用促進やリーダーシップ教育とともに、ライフスタイル、ライフステージの変化に柔軟に対応できる職場体制の確立を目的としている。

具体的な活動例

次世代女性リーダーの育成を目的としたメンタリングセッション/働き方の多様化やダイバーシティ推進について考えるワークショップ/有識者によるラウンドテーブル/テクノロジー業界における女性リーダーの育成推進イベント

Working Families Community

子育てから介護まで、仕事と家庭を両立しながら働く社員が多く参加するコミュニティで、多様なライフスタイルや変化するライフステージに合わせ、社員一人ひとりが柔軟に、働きやすい環境を整備するために必要なサポート体制の確立、情報提供、ネットワーキングの充実を目指している。

具体的な活動例

カジュアルなランチセッション/夏休みを利用した社員の子供向け教育プログラム(Bring Your Kids to Work Day:BYK2W)/社員とその家族を対象とした「介護セミナー」

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