Diversity ダイバーシティ

ダイバーシティとは、年齢や性別、人種や宗教などのさまざまな属性を持つ人が集団の中に集まった状態のことです。現在では組織の生産性や競争力向上のための戦略として、多種多様な人材を活用することとして認知されています。しかし、もともとダイバーシティという言葉は人権問題や雇用の平等化などで扱われていました。

ダイバーシティが進む背景には、競争環境のグローバル化と多様化する顧客ニーズへの適応が挙げられます。グローバル化による市場環境の変化は国際競争だけでなく、企業間でのステークホルダーの多様化にも影響するのです。

また、顧客ニーズの多様性も激しく変化しているため、能力や価値観だけでなく性別や国籍も大きく多様化することで適応しなければいけません。

一方で多様な属性を持つ集団にすることでリスク管理も必要です。企業が実践するにあたってのガイドラインでは、取締役会でのジェンダーや国際性の多様化を確保した構成が必要であるとされています。特に取締役に女性が選任されていることは重要視されるのです。

また、ダイバーシティによる多様化した組織は生産性の向上や人材不足の改善などの効果が期待されます。企業が実施するダイバーシティの主な取り組みとしてワークライフバランスの促進や評価制度の見直し、フレックス制度導入による柔軟な働き方の実施などが挙げられます。このことからダイバーシティの実施は政府が推進する働き方改革の取り組みとしても期待されるでしょう。

また、経済産業省はダイバーシティを成長戦略として考え、多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮して競争力を高めることを不可欠としています。現状の経営方針や体質を見直して、人材育成や雇用などからダイバーシティのための施策を進める必要があるのです。

中長期的に企業価値を生み出し続けるための取り組みとして注目を集めているダイバーシティは、多様化した属性を活かして、さらに個々の人材能力を最大限に高めることで継続的な付加価値を生み出すための企業にとって今後不可欠な取り組みです。