未来の金融ビジネスを変える新たなテクノロジーを求めて。
私は現在、ニューヨークに駐在している。それ以前、私はPM(プロジェクトマネージャー)として、クレジットカードの案件で、数十名のメンバーをまとめる立場に就いていた。入社13年目の時にJRI Americaに赴任。以来、欧米における銀行システム基盤に関する技術戦略の策定や、基盤構築プロジェクトの企画設計を手がける部門に所属し、案件企画のレビューとプロジェクトマネジメントを担当してきた。その後シリコンバレーで日々生まれる新技術のリサーチプロジェクトに関わり、将来当社のビジネスに貢献できる黎明期のテクノロジーの調査・分析に当たっている。今や革新的なテクノロジーが引き金となって新たな金融サービスが生まれる時代。私が発掘したテクノロジーで、金融ビジネスを変えていけることができたら、こんなに嬉しいことはない。
日米の技術交流をさらに深め、「ONE JRI」を推進。
JRI Americaに赴任して驚いたのは、日本ではまだ導入されていない先進的な技術を展開していることだった。また一方で、プロジェクトマネジメントの手法は日本でのナレッジを現地に応用できると感じた。これから日本総研が海外でのビジネスをさらに拡大していくときに、JRI Americaとの交流はグローバル人材の育成にもつながるはずだ。そんな想いから、私が日本総研とJRI America、双方に働きかけて技術情報交換会を主催。テレビ会議を通して担当者から経営層まで、日米で80名ほどが参加する会となった。以降、このイベントは定期的に実施されており、会を重ねるにつれて議論や質疑応答が活発になっている。また、この会から派生して、各技術分野の担当者間でより詳細な情報交換を行う会も立ち上がっている。本格的なグローバル時代を迎え、海外拠点を含むJRIグループ全体で新たな価値を提案していくためにも、今後こうした取り組みをさらに推進していきたい。
※内容は取材当時のものです。
シンガポールに駐在し、グループ戦略の担い手として
ビジネスプラットフォームの構築を担当。
SMBCグループは、10年後を展望し、『最高の信頼を通じて、日本・アジアをリードし、お客さまと共に成長するグローバル金融グループ』というビジョンを掲げている。これを達成するための要素の一つとして挙げられているのが、アジア新興国のビジネスを強化し、アジア屈指の金融グループを目指すという「アジア・セントリック」の実現だ。私は現在、シンガポールを拠点とするアジア・大洋州統括部という、まさにグループのアジア戦略の最前線に立ち、豪亜地区における各種システム案件の企画から運用までのトータルソリューション提供に携わっている。特にアジアにおける銀行の新たな拠点のシステム開発では、企画から導入まで一貫してプロジェクトを推進する立場にある。
チーム全体でスキルを高め
「アジア・セントリック」の実現を目指す。
今私はミャンマーで最初の支店開設を担当している。銀行ビジネスにおいては、万一の被災時にも業務を続けられるよう、厳格なBCP/DR(事業継続・復旧)対策が必要。しかしアジアの途上国の中には、通信環境が全く異なり、日本の発想で同様の対策を実現することはできない場所もある。ミャンマーでも同様だ。その突破口として、仮想化技術を利用した新たな仕組みを導入するなど、現地の環境の中で最善を尽くすための調整を進めている。これらの取り組みの一つ一つが、今後のアジアでのビジネス展開を推進していくための試金石になると捉え、大きなやりがいと責任感を持って業務に当たっている。組織が一丸となって「アジア・セントリック」を実現するために、私ができることはとことんまでやり抜くつもりだ。
※内容は取材当時のものです。
新たな挑戦を求めて。海外トレーニーに。
幼い頃に過ごしたロンドンへ旅立った。
私が海外トレーニーに応募したのは、入社6年目のこと。それまでクレジットカードや銀行のウェブシステムに携わっており、プロジェクトをマネジメントしていく自信がついてきた時期だった。ちょうどその頃、日本総研のロンドンの海外現地法人で、ウェブシステムに関われるトレーニーの募集があり、これは絶好の機会だと手を挙げたのだ。金融サービスにおいて、いち早くリアルタイム決済を導入し、高い利便性を実現しているイギリス金融業界の中心でもある。当時の私は、最先端の金融ビジネスに触れたい、何か新しいことに挑戦してさらに自分を成長させたい、そしてそのためにロンドンで新しいキャリアをスタートさせたいと強く思っていた。
自ら、成長する機会をつくっていく。
シビアな環境の中、手探りで学ぶ毎日。
ロンドンに赴任後は、欧米の銀行拠点内でのユーザー権限を管理するシステムを開発するプロジェクトに参加。現在はニューヨークとロンドンの拠点にいるユーザーや、実際に開発を担当する現地スタッフと現状の課題を確認しながら、具体的な仕様を調整し、リリースまでのスケジュール管理を行っている。プロジェクトを推進する中で、最初は、日本とは仕事の進め方がまったく違うことに戸惑った。ロンドンでは個々の担当領域が明確で、担当が割り振られた後、それ以上何か指示されることはない。自分のペースで仕事が進められるが、それ以上のことは一切要求されないため、意識していなければ自分がさらに成長する機会を失うリスクもある。自分で課題を発見し、周りに働きかけて改善や解決を図っていかなければ、評価されることもない。そういう意味では非常にシビアな環境である。自分で自分を成長させるという意識を持ち続け、日々の仕事につなげていくことの大切さを、ロンドンに来て改めて実感しているところだ。
※内容は取材当時のものです。