株式会社三井住友銀行
環境変化は「成長」の源泉
最高の信頼を世界各国で育みながら
グローバル金融グループを目指す
sumitomo mitsui
banking corporation
- 持田 恭平
- 人事部
採用グループ長
三井住友銀行(SMBC)は日本で「3大メガバンク」と呼ばれる銀行の一つで、国内外にビジネスを広く展開している。三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)の中核を担う存在であり、国際的にも知名度が高い。国内では443の拠点(本支店)を中心に、個人・法人を対象とする多彩なサービスを提供するとともに、海外では40の国や地域にある137の拠点を通じて銀行、証券、リースなど幅広く事業を展開している。2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals /持続可能な開発目標)」の活動など、社会貢献の分野においても積極的に取り組んでいる。
多様な価値観を受容して
協働で成果を出せる資質に期待
「銀行」が間接金融(Indirect finance)の主役であることは、今も昔も変わりがない。しかし、銀行を取り巻く環境はこの20年で大きく変化し、日本の大手銀行はそうした変化に対応してビジネスを進化させてきた。急速なグローバル化、ITの飛躍的な進歩、市場取引の拡大が変化の主な要因だが、マイナス金利政策の継続やAI導入の本格化、金融規制の国際的な枠組みの進展などから、環境変化は今後も続くと考えられる。
「学生の皆さんからも変化について質問が数多く寄せられます。不安に思えるかもしれませんが、大きな構造変化が起こるときは、新しいビジネスを創造したり、事業を拡大させたりするチャンスが生れます。それは個人にとっても地道に積み上げてきた努力が、一気に開花する可能性があると言うことです。」
SMBC人事部・採用グループ長として新卒採用や若手教育研修を統括する持田恭平は、自らの経験を振り返りながら「ますます面白くなると考えてほしい」と話す。
現在、SMBCが掲げるビジョンは「最高の信頼を通じて、日本・アジアをリードし、お客さまと共に成長するグローバル金融グループを目指す」というもの。実現に向けてのプロセスや取り組みの一つひとつに「会社や自分を成長させる可能性がある」とも言う。
「留学や海外で長く生活したことのある学生の皆さんに期待するのは、習慣や文化、宗教や人生観など、多様な価値観を受容して一緒に行動したり、議論したり、同じ目標に向けて努力した体験から得た能力です。SMBCが真のグローバル金融グループになるためには、金融スキルとそうした能力を併せ持った人材の活躍が欠かせないと考えています」
アジア・欧州・米国でビジネスを拡大
新たな事業にも果敢にチャレンジ
SMBCは、国内の個人のお客さまに対しては、銀行、証券会社、信託銀行が連携して、資産運用や相続などのニーズにトータルに対応する取り組みの強化を進めている。同時にスマホなどを使ったキャッシュレス決済サービスの提供や、利便性・安全性の向上にも力を入れている。
法人のお客さまを対象としたビジネスでは、国内事業に向けたさまざまなサポートはもとより、グローバルベースで多彩な提案やソリューションの提供に努めている。一方、中小企業のお客さまに対しては、成長のステージに見合ったきめ細かいサービスを提供している。
加えて、海外ビジネスにおいては、2009年から2018年までの10年間で貸出金が2倍以上に拡大した。貸付を増やすだけでなく、海外での銀行経営への参入や、プロジェクトファイナンスなど大型案件のアレンジ、リース事業の展開など総合金融の体制を強めているところに特色がある。
その中でも、インドネシアでの銀行事業の展開は国内他行の追随を許していない。SMBCは2013年から今後の成長ポテンシャルの高い新興国において、フルラインの商業銀行業務を行う戦略を進めてきた。提携や投資などにより当初から連携を深め、信頼を育んできた(旧)インドネシア年金貯蓄銀行(BTPN)との関係は、同国のSMBC子会社との合併という形で、SMBCグループの新しい銀行の誕生をもたらした。フルライン業務とは個人・法人の両方のお客さまを広く対象とすることで、フルバンキングとも言う。数十年後には同国で、日本におけるSMBCと同じようなプレゼンスを持った銀行になることが目標だ。
「私たちはアジアにだけ力を入れているわけではありません。アジアでは既にさまざまな成果が生まれていますが、日本やアジアでのプレゼンスもエッジとして、欧米などへの展開を優位にする戦略がそこにあります」
実際、欧米での事業拡大には目を見張るものがある。2012年に、住友商事・三井住友ファイナンス&リース(SMFL)と連携して英国の銀行から航空機リース事業を買収したのもそのひとつ。SMBCアビエーション・キャピタルは航空機730機を保有する業界トップクラスの会社となった。米国では2017年に貨車リース会社を子会社化し、貨車約5万両を保有することで米国第6位の貨車リース事業を展開している。そのほか、欧州では中堅企業向けの貸出資産を米国の金融グループから買収して、新たなマーケットの開拓を急いでいる。
また、国のインフラ整備や資源開発など大型融資案件に欠かせないプロジェクトファイナンスでもピッグ・プレイヤーとして名を連ね、ファイナンスを組成する主幹事(Lead Arranger)指名獲得件数で世界第2位となっている。
留学や海外生活の経験は
どんな仕事にも必ず生きる
留学生に限らず新卒入社の社員には、約1ケ月の新人研修が用意されている。社会人として求められる意識や知識、覚悟を理解するだけでなく、同期との絆を深めるという狙いもある。その後は、希望や適性を考慮しつつ、原則として国内支店への配属が決まる。職場ではOJTを通じて銀行業務の基礎を身につける。
スキルを磨きたい分野や得意としたい分野が見つかるのは、多くの場合それからだ。
「国内の仕事でも語学力や留学経験を生かす機会はいくらでもあります。たとえば、法人のお客さまを担当した場合、経営規模の大小に関わらず海外との接点を数多くお持ちです。海外との取引を増やしたい、海外から技術を導入したいなどニーズは多岐多様ですから、お役に立てる局面も少なくありません。もちろん、SMBCグループのグローバルネットワークを活用することも可能です」
銀行の仕事は「人」にはじまり「人」で終わる。一人ひとりが一騎当千の活躍をして、その集積が競争力の原点になる。21世紀の環境変化は、銀行のこうした特質をさらに強めていくと思われる。